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上野の森美術館『デトロイト美術館展』

上野の森美術館で開催中の『デトロイト美術館展』がいよいよ明日1月21日(土)までです。

その名の通り、アメリカ・デトロイト美術館の所蔵作品を集めた本展。

出展作には、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、ドガなど、誰もが名前を聞いたことのある作家が名を連ねます。

美術館と名のつく展覧会は多いけれども、デトロイト美術館展 は、集まっている作品が生み出す空気が、なんというかとっても風通しがよく、自由で生き生きした心地よさを全身に感じます。 画家たちが生き生きと創造をしていた躍動感が伝わってきて、寒い冬でも、新緑の5月のような気持ちになりました。 作品が素晴らしいことはもちろん、きっと、デトロイトという工業地帯の街で、市民から愛される美術館の息吹が吹き込まれているからだと感じます。デトロイト市が財政破綻となり、一時売却が検討されたデトロイト美術館ですが、多くの市民の反対で今も市民の美術館として残っているのです。 展示はもちろんすべてが“新緑の5月”ではなく、重かったり、神秘的なものもあります。 個人的には何となく石の城に触れるような少し冷たく、重みのある第二次世界大戦時のドイツ絵画の章が好きです。 この章に入ると、ドイツの方々の意思の強さや、静かな自然の美しさにすっと入っていくような心の感じ方などを見て感じます。 今まで知りませんでしたが、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーという画家の「月下の冬景色」という作品に魅了されました。 作品横にかかれている本人の言葉を読むと、より一層心を奪われます。 「今朝早く、素晴らしい月の入りを見ました。小さな桃色の雲の上にある黄色の月と澄んだ深い青色の山々、本当に素晴らしい情景でした」(1919年1月20日付、ヘレーネ・シュペングラー宛) 今気づきましたが、今日ですね!98年前の今日付の言葉でした。 デトロイト美術館展はたくさんの画家の作品が並びます。 きっと素敵な出会いがあると思います! まだご覧になられていない方はぜひ。

9月20日発行の「FLYING POSTMAN PRESS」でも紹介していました☆

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