愛知県美術館『ゴッホとゴーギャン展』
来月より愛知県美術館で開催される「ゴッホとゴーギャン展」。
東京でも開催され週末は入場まで40分!ともなった超人気の展覧会がいよいよ名古屋にもやってきますね!
1888年、南フランスにある田舎町「アルル」のアトリアで2ヶ月を共に過ごした二人。その時期に制作された作品が今回の展覧会での見所です。
有名なゴッホとゴーギャンの関係。
始まりは1888年の2月、ゴッホがアルルという町にやってくることから始まります。
この地を訪れたゴッホにはひとつの願望がありました。それは、「芸術家の共同体」を結成するというもの。
ゴッホには、パリで画商勤めをするテオという兄思いの弟がいて、兄の夢を叶えるべくゴーギャンに定期的に作品を納めてもらうことを条件に、アルルでの生活費を負担することを約束しました。
駅のすぐ近く、マルティーヌ広場に建つ「黄色い家」へ居を構えたゴッホ。彼はゴーギャンの到着を待ちわび、ゴーギャンの部屋を向日葵の絵で満たそうと計画するほどだったそうです。
そして10月23日の夜明け前、ゴーギャンがアルル駅に到着。ここから、20世紀を代表する天才画家の共同生活が始まるのです。
お互い、期待に胸を高鳴らせるものの、二人の間に暗い影が差してゆきます。
ゴッホは現実世界を写実的に描き出す作風、ゴーギャンは現実のものだけでなく心情を基にした空想世界をも画面に描き出す作風と、二人の世界観は大きく異なりすぎていました。
そのせいか、性格は全く合わず、激しく議論を重ねる日々。
寒さが深まるにつれて、様子の急変するゴッホ……。
耐えかねたゴーギャンはこの場を去るかもしれないとゴッホに告げるのでした。
二人が出会った日から2ヶ月。12月23日の夜に共同生活は破綻を迎えます。
アルルの町から姿を消してしまったゴーギャン。ゴッホは、錯乱状態のまま自らの耳を切り落としてしまします。
その1年後、ゴッホは自害を図り、二人が再会を果たすことはついにありませんでした……。
関係が修復できないほどにまでなってしまった二人ですが、ゴーギャンの描いた『肘掛け椅子のひまわり』からは彼のゴッホへ向けた特別のな思いが感じ取れます。
ゴッホが亡くなってから11年後に描かれたこの作品。ゴーギャンはヨーロッパからわざわざヒマワリの種を取り寄せ制作したそうです。
ヒマワリはゴッホの好んで用いていたモチーフであり、ゴーギャン自ら座っていた椅子に安らかに委ねられたヒマワリたちを描いたこの作品が、ゴーギャンのゴッホへの想いを象徴しています。
『肘掛け椅子のひまわり』は展覧会にも展示されているので、足を運んだ際は、この絵に託された思いを想像しながら向き合ってみるといいかもしれませんね✨
「ゴッホとゴーギャン展」は愛知県美術館で1月3日-3月20日まで開催です!
また、東海版「FLYING POSTMAN PRESS」では3号連続で「ゴッホとゴーギャン 黄色い家の9週間」を掲載!
こちらは、実際の時間軸にリンクしているので見かけた方はぜひ読んで見てくださいね。